研究テーマ

本研究室では、人工知能を使用して物事をよりよくする応用研究から、頭の良い人工知能を育てる数学的方法の開発まで、幅広く取り組んでいます。配属希望の場合には参考くらいには見ておいてください。

学生の皆さんに強制させるテーマではありません。



人工知能・データマイニングの応用研究:

  1. 人工知能によるトップアスリート支援
  2. 知的CSCLシステム: Intelligent Edutab Box
  3. 知能情報処理によるヒューマンコミュニケーション最適化
  4. 人工知能の判断基準の可視化による人の意思決定構造の解析
  5. 人工知能により工作機械の異常状態を検出するシステムの開発
  6. 人工知能を活用したガンマ線バースト重力波の再構成

人工知能・データマイニングの理論研究:

  1. 確率密度関数の共有面積を活用した深層学習の最適化アルゴリズム
  2. 確率密度関数の共有面積を活用した特徴量空間評価関数の提案

卒業研究のテーマ決め:
こちらを参照してください。http://int-info.com/index.php/grad/



人工知能によるトップアスリート支援

AIでオリンピック支援!

  • 概要
  • 最近は、オリンピックも人工知能の時代みたいです。本研究室では、我が国のスポーツ医科学の中枢機関(総本山)である国立スポーツ科学センターとの共同研究として、人工知能を活用したトップアスリート支援に関する研究に取り組んでいます。具体的には、加速度・角速度センサ、心拍センサなどでアスリートの状態を精密に計測し、身体動作の量的評価・クオリティ評価などを実現する人工知能を構築しています。そのほか、卓球の映像解析などの研究も支援しています。

  • 共同研究
    • 国立スポーツ科学センター
    • 長岡技術科学大学
  • 支援
    • 2016- 国立スポーツ科学センター スポーツ医・科学研究事業
    • 2017-2018 科研費 若手研究(B)(234万円)
  • 代表的な研究業績
    • Yuto Omae, et al., Swimming Style Classification Based on Ensemble Learning and Adaptive Feature Value by Using Inertial Measurement Unit, Journal of Advanced Computational Intelligence and Intelligent Informatics, vol.21, no.4, pp.616-631, 2017.
    • 大前佑斗 他, 深層学習と慣性センサを活用した個別ストローク動作開始タイミングの推定手法, 電子情報通信学会技術研究報告(パターン認識・メディア理解研究会), 117(238), pp.155-160, 2017.
    • 大前佑斗 他, 人工知能によるトレーニング運動の質判定に向けた慣性センサ装着箇所の検討, 第13回JISSスポーツ科学会議 オリンピック・パラリンピックと スポーツ医・科学 〜RioそしてTokyoへ〜.




知的CSCLシステム: Intelligent Edutab Box

AIで教室をまるごと制御しよう!

  • 概要
  • 近年、学習者同士の能動的な学び合い(協調学習; Collaborative Learning)は、従来の知識供与型の教育よりも、有効であることが数多くの研究で示唆されています。そのため、最近の学校では、机に座って教師の話を聞くのではなく、色々と動き合い、話し合い、教師に提示された課題を自発的に解決するという形式の授業が行われるようになってきました。また、協調学習をICTにより支援しようとする動きが世界的にも活発になってきています。本研究では、これらの背景を鑑み、人工知能を搭載したシステムにより、協調学習を高度に支援する環境の構築を行っています。本システムでは、「割り算ができるようになる」「戦争が発生した理由を説明できる」といった具体的に定められる授業目標に対して、これを達成する可能性が低い学習者をリアルタイムに検出する機能、誰と誰が学び合っているのか可視化する機能、学習者の心理的特性が考慮された最適な学び合いネットワークを特定する機能の開発、実装を行っています。本研究は、システム開発を行う企業、開発されたシステムで教育設計を行う教育系大学、アルゴリズム考案を行う理工系大学、教育効果を検証する小中学校など、多数の機関が連携しながら実施されています。

  • 共同研究
    • 山梨県立大学
    • 上越教育大学
    • 長岡技術科学大学
    • 株式会社デジタルアライアンス
    • 小・中学校(山梨県内、新潟県内)
  • 支援
    • 2018-2020 情報通信研究機構 委託研究(2000万円)
    • 2012-2013 総務省 SCOPE(2000万円)
    • 2016-2018 科研費 基盤研究(C)(429万円)
  • 代表的な研究業績
    • Yuto Omae, et al., Data Mining for Discovering Effective Time-Series Transition of Learning Strategies on Mutual Viewing-Based Learning, Journal of Advanced Computational Intelligence and Intelligent Informatics, vol.22, no.7, pp.1046-1055, 2018.
    • Yuto Omae, et al., Machine Learning-Based Collaborative Learning Optimizer toward Intelligent CSCL System Proceedings of the 2017 IEEE/SICE International Symposium on System Integration, Paper WeC1.1, pp.577-582, 2017.
    • 大前佑斗 他, 相互閲覧型学習の分析支援を目的としたデータマイニングシステム, 電子情報通信学会論文誌D, vol.xx, no.xx, pp.xx-xx, 2019. (採録決定)




知能情報処理によるヒューマンコミュニケーション最適化

AIで人の営みを最適化しよう!

  • 概要
  • 社会(もちろん、学校も含みます)では、いろいろな個性を有する人たちがコミュニケーションを取ることで、組織なり何なりが運営されていきます。とはいえ、いろいろな個性を持つ人たちがいるわけですから、あらかじめ設定された目標を達成できないようなコミュニケーションも存在します。本研究では、人工知能、数理最適化、心理学の知見を活用して、個性に応じて異なる最適なヒューマンコミュニケーションを導出する手法を構築しています。数学、心理学、プログラムなど、勉強することがたくさんありますが、人の営みを科学的に眺めることができるので、大変おもしろい研究だと考えています。

  • 代表的な研究業績
    • 大前佑斗他, 機械学習と数理最適化による最適な学び合いネットワークの構成手法, 電子情報通信学会技術研究報告集(ヒューマンコミュニケーション基礎研究会), no.118, vol.49, pp.107-112, 2018.




人工知能の判断基準の可視化による人の意思決定構造の解析

AIで人の意思を調べよう!

  • 概要
  • 人は毎日色々な意思決定を行い生活しています。細かいところでいえば、朝食のメニュー、大きなところでいえば、就職を目指す企業などですね。では、人は一体どんなときにどういう意思決定を行うのでしょうか。人の考え方や状況によって決まるので、非常に複雑です。ただ、「複雑である」というのは要するに「何もわからない」とほとんど同じで、あまり建設的な話にはなりません。

    人の意思決定構造を調べるアプローチはたくさんありますが、本研究では、人工知能の判断基準を可視化するという方針で、人の意思決定を調べています。具体的には、たくさんの人たちから心理的・状況要因と意思決定がセットになったデータを集めます。そして、心理的・状況要因から意思決定を推定する人工知能を構築します。最後に、人工知能の判断基準を可視化することで「どのような人が、どのような条件を満たすとき、どのような意思決定を行うのか」について知見を得ます。

    心理学、数学、プログラミングなど、広範に勉強しなければいけませんが、人の意思決定構造が可視化された瞬間は、なんとも言えないおもしろさがあります。人間に興味がある人にはオススメの研究です。

  • 代表的な研究業績
    • 大前佑斗他, 進路指導教育支援を目的とした心象状態の可視化手法, ヒューマンインタフェース学会論文誌, vol.17, no.2, pp.127-138, 2015.
    • 大前佑斗他, キャリアに対する認識の分析による進学動機変容の推定, 知能情報ファジィ学会論文誌: 知能と情報, vol.27, no.5, pp.743-756, 2015.




人工知能により工作機械の異常状態を検出するシステムの開発

AIで産業支援!

  • 概要
  • 本システムは、機械駆動時の振動を慣性センサで計測し、そのデータに対し、時間・周波数解析および機械学習といった高度なデータ解析手法を適用することで、高精度な状態推定を実現します。この研究が高く発展することで、製造現場において機械を止めなければならないリスクを早期に発見することができ、生産効率の向上が期待されます。

  • 代表的な研究業績
    • 大前佑斗ほか, 組込み人工知能によって工作機械やモータの不良状態を検出・予知するシステム, CECプライベート展, 2019.




人工知能によるガンマ線バースト重力波の再構成

AIで重力波解析

  • 概要
  • 現在、重力波観測が多くの研究機関で推進されており、実際の観測にも成功しています。今後、観測された重力波をどのように解析するか、というフェーズに進んできています。現実的に観測される重力波信号は、多数のノイズに埋もれてしまっているため、ノイズを綺麗に除去しなければ、うまく解析を行うことができません。一般的なノイズ除去手法は、ノイズとなる周波数帯が明らかでなければなりませんが、重力波信号に含まれるノイズは、それが未知となります。本研究では、人工知能を活用することで、ノイズの周波数帯が未知であっても、うまくノイズを除去することのできるアルゴリズムを開発しています。

  • 代表的な研究業績
    • 直並列型Denoising Autoencoderを用いたバースト重力波解析におけるノイズ除去の基礎的検討, 林滉之, 酒井一樹, 高橋弘毅, 大前佑斗, 電子情報通信学会技術研究報告集(ニューロコンピューティング研究会), vol.118, no.470, NC2018-55, pp.67-71, 2019.03.04.




確率密度関数の共有面積を活用した深層学習の最適化アルゴリズム

頭が良い知能ってなんだ!?

  • 概要
  • 頭が良い知能とはなんでしょうか。実はこれは、正解の無い質問です。ある人にとっては問題を素早く解ける状態を「頭が良い」と定義するかもしれませんし、別の人は難しい問題を解ける状態を「頭が良い」と定義するかもしれません。その人の考え方や状況によって、答えは違うということです。そして、前者の定義を採用している人は、何度も似たような問題を反復的に解く訓練をします。後者の定義を採用している人は見たことがない問題を解くような訓練をすると思います。ここでわかるように「頭の良さ」の定義が異なると、学習はまったく別物になります。そして、学習が異なると形成される知識はまったく別物になります。実はこれは、人工知能でもまったく同じだったりします。

    人間には非常に多くの「頭の良さ」の定義がありますが、人工知能の「頭の良さ」の定義は、残念ながらあまり種類が多くないのです。この点を鑑み本研究では、今までよりも社会的に役立つ良い知能を実現するために「頭の良さ」の定義づけを再考しています。具体的には、各々のクラスを生起する確率密度関数を定義し、その共有面積をコスト関数とした、深層学習の最適化アルゴリズムを提案しています。

  • 代表的な研究業績
    • Yuto Omae, et al., A Novel Deep Learning Optimization Algorithm for Human Motions Anomaly Detection, International Journal of Innovative Computing, Information and Control, vol.15, no.1, pp.199-208, 2019. (論文賞; Best Paper Award)
    • Yuto Omae, et al., Feature Selection Algorithm Considering Trial and Individual Differences for Machine Learning of Human Activity Recognition, Journal of Advanced Computational Intelligence and Intelligent Informatics, vol.21, no.5, pp.813-824, 2017.




確率密度関数の共有面積を活用した特徴量空間評価関数の提案

AIヘ与える情報の重要性を計ろう!

  • 概要
  • 人間が何らかの知的な判断を行うとき、情報は少ないよりも多い方が有利です。そう考えると、たくさんの情報で何らかの判断を行う人工知能は、一見良さそうに思えます。でも、実はこれ、一概に正しいとは言えないのです。なぜかというと、入力する情報の種類が多すぎると、人工知能の思考が広くなりすぎて、莫大な量の教師データを用意しなくては、うまく学習を行うことができなくなります。結果として、性能が悪い人工知能が出来上がります。このように、人工知能に与える情報を増やしすぎたとき、教師データが莫大にければ良い精度が出せなくなる現象を、次元の呪いと言います。 したがって、人工知能の分野では、無駄な情報と有効な情報を識別する学術領域が存在し、これを特徴量エンジニアリングと呼びます。本研究室に置いても、採用した特徴量のうち、重要なものをピックアップするアルゴリズムを考案しています。

  • 代表的な研究業績
    • Yuto Omae, et al., Feature Selection Algorithm Considering Trial and Individual Differences for Machine Learning of Human Activity Recognition, Journal of Advanced Computational Intelligence and Intelligent Informatics, vol.21, no.5, pp.813-824, 2017.