人工知能により対面式の協調学習の効果を高めるリアルタイム教師支援システム「Intelligent Edutab Box」の開発

人工知能により対面式の協調学習の効果を高めるリアルタイム教師支援システム「Intelligent Edutab Box」の開発

Abstract

協調学習には高い教育効果があることが多く報告されています。協調学習とは2人あるいはそれ以上のグループで何かを一緒に学ぶこと、と定義されます。新型コロナウィルス感染症の影響による学校閉鎖に伴い、ICTを利用してリモートでグループワークをする機会は増えていることでしょう。このようなICTを利用した協調学習はリモート学習に限らず、対面式の学習にも取り入れられています。今回、私たちは、この対面式の協調学習を小学校高学年の授業で実践する設定で、その授業を行う教師をリアルタイムで支援するシステム、Intelligent Edutab Boxを開発しました。

授業形態を具体的に説明します。まず、生徒はタブレットを持って授業に参加します。教師が、○○が解けるようになる、××が説明できるようになる、といった達成目標を提示し、生徒は各自で自分の考えをタブレットに書き込みスクリーンショットしたものや関連する写真を画像ファイルとしてアップロードします。他の生徒の考えも閲覧できるようになっており、それを自分の考えと比較したり、他の生徒の考えを読み取ったり、気になる内容があれば、それをアップロードした生徒のところに実際に出向いて話し合い、理解を深めます。Intelligent Edutab Boxは、このような生徒の行動(タブレットの使用状況、他の生徒の記録の閲覧状況など)をリアルタイムで表示し、さらに搭載したAIが授業の目標達成が難しい生徒を行動パターンから推定します。教師は、このような客観的な情報をもとに、より良い協調学習を実践できるというわけです。実際にこのシステムを小学校6年生のクラスで試験的に使用したところ、その有効性が示されました。

Intelligent Edutab Boxは、協調学習の成果を授業後に判定するのではなく、授業目標を達成できないかもしれない生徒を授業中に推定するというユニークなものです。このようなAIを使ったシステムが授業中の教師をリアルタイムに支援することにより、対面式協調学習の効果がさらに高まることが期待されます。

Publication

  • Yuto Omae et al., Intelligent Edutab Box: Supporting Real-Time Face-to-face Collaborative Learning, Journal of Advanced Computational Intelligence and Intelligent Informatics, vol.25, no.2, pp.258-269, 2021. [Link]
  • 大前佑斗ほか, 時間駆動型の統計的仮説検証による有効な学習ログの早期検出アルゴリズムとCSCLシステムへの実装, 電子情報通信学会論文誌D, Vol.J103-D, No.12, pp.906-918, 2020. [採択率: 40%] [Link]
  • 大前佑斗ほか, 相互閲覧型学習の分析支援を目的としたデータマイニングシステム, 電子情報通信学会論文誌D vol.J102-D, no.4, pp.257-266, 2019. [採択率: 40%] [Link]

Note

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文責: 大前佑斗

日本大学生産工学部マネジメント工学科 専任講師、人工知能リサーチセンター 研究員。ゼミ配属では、プログラミングや人工知能を、時間をかけ丁寧に学習したい方を募集しています。文系・理系、どちらでもokです。

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