本賞は、2017年から2019年までの3年間に投稿・採択された知能情報処理に関する論文405編の中から、2編選出され、贈呈されるものです。2020年10月ごろに授賞式が行われる予定です。

本研究は、人に装着した防水型慣性センサから、高精度で水中の身体動作(クロール、背泳ぎ、平泳ぎ、バタフライ)を自動判定する人工知能の開発について言及するものです。従来の人工知能において、平泳ぎとバタフライの判定は、両者の動作が極めて類似していることから、誤判別が多いという課題がありました。この問題を解決するため、人工知能技術の一つであるランダムフォレスト法と、Out-of-Bag Error法と呼ばれる特徴量探索技術により、平泳ぎとバタフライの判定が意図的に得意になるような学習構造を生成し、極めて高い精度で4泳法(クロール、背泳ぎ、平泳ぎ、バタフライ)を自動判定する人工知能の開発に成功しました。本手法は、スマートフォンやスマートウォッチなどへの導入が期待されています。